樹木医が選ぶ桜の名木

日比谷花壇グループ「エコル」が、全国各地の樹木医が選ぶ「桜の名木」を紹介していきます。第8回目は、兵庫県の神戸市立王子動物園にある桜について、藤原樹木医が紹介します。

 vol.8 兵庫県神戸市 王子動物園の桜

動物園の中にあるソメイヨシノの標準木

この王子動物園というのは、神戸市灘区王子町にある陸上競技場・プール・体育館などのある王子公園の中にあり、1951年に現在地に移転してきました。動物園としては、古くからゾウの飼育を行っています。また、パンダとコアラが同時に見られる唯一の動物園としても有名です。

春のサクラの季節には、動物園の一部を夜間開放し、夜桜の通りぬけというイベントを行っています。この動物園にあるサクラはソメイヨシノで、樹齢は古いもので70年ぐらいのものがあり、総本数は500本程度です。このソメイヨシノの中の1本が、神戸海洋気象台の標準木となっていて、春の開花予想や開花情報の発信源となっています。


▲この木が標準木です。正しくは、「植物季節観測用標本」と言うそうです。

▲園内にはこのような大きなソメイヨシノがたくさんあります。


治療をはじめて約10年が経過

今回取り上げたサクラは、王子動物園の中にあるソメイヨシノの中でもとくに古い個体で、樹齢はおよそ70年と推定されています。この個体は、園の中でも特に入口に近いところにある古木で、来園者の目に良く触れるのですが、近年衰退が顕著となり、日本樹木医会兵庫県支部による治療を行っています。

治療のスタートは平成12年ごろで、現在約10年が経過しています。治療を開始した当初は上部も枯れ枝が目立ち、年々弱まるばかりではないかと思われていましたが、周辺の土壌改良や不定根と呼ばれる上部に発生した根を、地表部に誘導して新たな根を作りだし、樹木の勢いを回復させる治療を行いました。

【2001年12月】

▲治療を開始した頃の写真です。矢印のところの不定根をこれから地面にまで誘導し、大きく育てようと考えました。

【2007年4月5日】

▲その後5年が経過したのがこの写真です。不定根が直径およそ15cmまで成長し、地面にしっかり根をおろしている様子が見えます。


また、ほかの箇所の不定根も大きく成長し、この樹木を支え、新たな命を注ぎ込んでいる様子が良く見えます。

開花状況にみる治療の効果

下の2枚の写真は、治療前後の開花状況を比較したものです。左の方は、2003年の開花状況で、右は2007年の写真です。不定根の誘導を中心とした治療の成果があらわれ、開花期の樹冠の大きさに明らかな差が出ているのがお分かりになると思います。

【2003年の開花状況】
【2007年の開花状況】



兵庫県神戸市
王子動物園

大きな地図で
樹木医が選ぶ桜の名木 を表示


藤原圭介
兵庫県樹木医

日比谷アメニス 大阪支店勤務 入社後10数年間は現場職。その後営業職で現在に至る。 樹木医資格所得は14年前。 樹木医資格を活かし、街路樹診断などの業務を開拓中。


花贈りガイド

HIBIYAKADAN-TIMES

わたしたちは、みなさんの
身近なところで緑を支えています。

育てよう!みどりの広場 お手入れのしおり
緑とともに生きる
緑とともに生きる

 

花贈りガイド

フラワーギフトの上手な贈り方とマナー「花贈りガイド」

HIBIYAKADAN-TIMES

日比谷花壇の今をご紹介!「HIBIYA-KADAN TIMES」

育てよう!みどりの広場 お手入れのしおり

育てよう!みどりの広場 お手入れのしおり

緑とともに生きる

花と緑を通じた企業のCSR活動をサポート