樹木医が選ぶ桜の名木

日比谷花壇グループ「エコル」が、全国各地の樹木医が選ぶ「桜の名木」を紹介していきます。第9回目は、奈良県大宇陀町宇陀市本郷の又兵衛桜について、三家樹木医が紹介します。

vol.9 奈良県宇陀市本郷の又兵衛桜

エドヒガン「又兵衛桜」(またべえさくら)

この桜は奈良県大宇陀町(現宇陀市)本郷の旧後藤邸の石垣の上にあり、奈良県の保護樹木に指定されています。数年前のNHK大河ドラマのタイトル映像に使用されたことから、多くの人が訪れるようになりました。私は、十数年前に地元の人達とこの桜をケアして以来、定期的に現地に行っています。

 この桜は古木であるが故に、いたるところに腐朽や空洞を抱えており、折損を防止するために、ワイヤを使ったブレーシングを使用しています。ブレーシングとは、ワイヤーで枝と枝を連結させる支柱のことです。そのために古木でありながら支柱のない、シダレザクラの景色をつくっています。その周囲には電柱もなく素晴らしい景観を形成しています。

十数年前この地をおそった台風のため、室生寺の五重の塔が倒木で破壊されるなど奈良県下で大きな災害を受けた時も、この「又兵衛桜」は、幸運にも折損は免れました。  しかし、近年細枝の枯れがめだちはじめ、過湿の障害が出始めたため、土壌改良を行いました。また、ムネアカアワフキの発生もめだちはじめています。


ケアの概要

この又兵衛桜を守るために、次のようなケアを行いました。

ブレーシング
幹同士をビニール被覆ワイヤで結合させ幹を補強し、支柱のかわりとしました。その成果、1998年の台風にも耐え折損することはありませんでした。


土壌改良
土壌は粘土が多く、地山と盛土の境で滞水し、根系を枯死させているので、暗渠排水と埋め戻し土に粉砕木炭他を混合させました。


ムネアカアワフキの防除
前々から巻き貝状の殻が細枝についていることに気がついていましたが、樹木医の天野氏との共同調査によって同定されました。防除方法を試験的に行い、ある程度の密度低下が見られ、そのため細枝の枯損が少なくなっているようです。



奈良県宇陀市
の又兵衛桜

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三家昌興(みつや まさおき)
樹木医
(株)アースワーク代表取締役

春日大社境内の天然記念物イチガシ巨樹群(市指定)をはじめ奈良県下の仏隆寺のモチヅキザクラ、桜井の八講桜などの巨樹、古木の治療を手がける。他街路樹のあり方にも問題を提起している。


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